健康診断などで診断指標となる代表値のひとつにコレステロール値があります。広く知られたこの数値ですが、具体的な機能や体への影響を正しく知っている人はそう多くありません。
そもそもコレステロールとは脂質の一種であり私たちの体を構成する細胞構造に欠かせない成分のひとつです。そのためある程度の摂取は必須な重要成分ということが知られています。
しかしながら、近年の研究から今まで常識と思われていたコレステロール値の捉え方が変化しているという発展途上な分野でもあります。コレステロールの8割は体内で合成されますが、残りは卵や肉類の食品中から摂取されています。中でも魚類に含有率は高く、マグロもその中に入ります。マグロを始めとする魚類にはコレステロールを減少させる不飽和脂肪酸であるEPAやDHA、α-リノレン酸が豊富に含まれます。
これらはn-3系とよばれ、悪玉コレステロールの減少だけでなく善玉コレステロールを上昇させ、血栓生成の予防や抗アレルギー作用をもたらすなどの効果が報告されています。具体的な量として、マグロ60gあたりにEPAは0.8gも含まれます。EPAの推奨摂取量は1日あたり2gなので、マグロをある程度摂取するだけでクリアすることができると言えます。
もちろんマグロばかりを摂っていたのでは偏りが出てしまうので、合わせて食物繊維を多く含む野菜を取り入れることが大切です。日本に馴染み深い食材であるマグロは世界的に注目を集める高栄養の食品です。
適度に取り入れて食事から健康な体を作るのに大きな要素となってくれることでしょう。