日本では昔から魚は食卓でおなじみの存在であり、日本の歴史には食材として魚は欠かせない存在です。そんな食材としての魚の中でも、とくにマグロは高い人気を誇っており、寿司や刺身、缶詰などさまざまな形となって食べられ続けています。
そんなマグロですが、缶詰のツナ缶については魚の缶詰の中でもメジャーな存在であり、くせもなく食べやすいために家に常備してあったり、いろいろな料理に活用され、食卓を賑わせています。もっともそんなマグロの缶詰の歴史となると、なかなか深くて興味深いものがあります。
まず缶詰そのものが誕生したのはヨーロッパであり、約200年以上前にすでに容器による保存方法は確立されていて、それこそが缶詰のはじまりとされています。もっとも最初はガラスによる密閉方式であり、それから数年を得てブリキ缶を使用した方式が確立されます。これが1821年のことであり、1860年には絵入りのカラーラベルが誕生します。そして1903年になって、ついにアメリカでマグロを使用したツナ缶が誕生することになります。
ちなみに日本では、1871年にフランス人から製法を学んで試作品が製造されましたが、最初はイワシの油漬け缶詰でした。その時の試作品はフランス製にも劣らないものであり、外国にも輸出され好評を得るほどでした。さらに 1874年には野菜の缶詰も作られ、1877年にはアメリカ人技師の下で北海道に日本初のサケの缶詰工場も誕生します。
しかしマグロに関してはそれからもっと年月が経過した1928年になってからで、マグロ付け缶詰製造の予備試験が実施されてアメリカへの輸出を開始し、1931年には静岡県にマグロを主とする缶詰業者が続いて多数誕生するようになりました。