日本人である私たちはマグロを、寿司や刺身として食べる習慣があります。その際にマグロの鮮度は大切な要因とされています。
私たちが日常生活において食卓で食べる刺身の場合、やはり鮮度がいいものはおいしい事はよく知られた事です。
ただ、漁港が近くにあり新鮮な魚がすぐに手に入るといううらやましい環境はそう多くなく、スーパーマーケットで売っている保冷器に並んだマグロの刺身のパックを買うのが多くの人たちの生活です。
また、スーパーマーケットから買ってきた刺身をうっかり忘れてしまい冷蔵庫に置いていて1日くらい古くなる事もよくある話です。
マグロは古くなると独特の臭みが出てきます。この臭みは、マグロのうまみ成分であるトリメチルアミンオキサイドが細菌により分解されて臭みのあるトリメチルアミンに分解される為に生じます。
この事は臭みとうまみが大変緊密な関係にある事を示しています。有名なくさやなどの強い臭みを放つ魚加工品が珍味として珍重されるのもこのうまみと臭みとの密接な関係の為です。
ただ、刺身などの生で食べる場合には何とかしてうまみは保ちつつ臭みは取りたいものです。
この様な際にプロの職人の方々の間で利用されるのが、マグロなどの切り身を水で洗うという方法です。
これは細菌によるトリメチルアミンオキサイドからトリメチルアミンへの分解は空気に触れる表面で起きやすい為に表面にトリメチルアミンが多く作り出されるという事から表面を水で洗えばトリメチルアミンを減らす事が出来臭みを低減できるためです。