現在日本食ブームがあり、中でもすしや刺身は世界的に人気があります。マグロもその中の1つで、世界的にみると台湾や中国でも人気が高い食材です。ここ10~20年ほどでブームとなり大変な人気で、両国とはマグロ漁の問題にまで発展するほどです。しかしマグロとの歴史が古いのは断然日本で、縄文時代のゴミ捨て場からマグロの骨が出土されているほどです。かなり古い時代から日本人はマグロを食していたことが証明されています。
さてマグロを獲るには遠方に行って漁を行う必要がありますが、獲ってから陸に戻るまで冷やしておかなければ保存できません。従って初期には日本の周辺域で獲ったものをそのままさばき、醤油などに付けてズケにして食べていたようです。また当時は傷みやすい部位は捨てられ、比較的長持ちする赤身をよく食べていたようです。その後冷やして保存する技術や、遠方漁が可能な船の技術双方が発展し傷みやすい他の部位についても食べられるにいたります。日本はその方面の技術を早く習得、いち早く生ものを食べる文化を取り入れ、他の国に比べて早期に発達した歴史があります。
はっきりと残っている文献で、江戸時代には駿河湾でマグロ漁が行なわれた記録が残っています。その後明治時代には日本近海にマグロが寄ってこなくなったため、遠洋漁の必要性が出てきました。1920年くらいには船舶技術が向上、マグロ船の大型化が可能になり、より多くのマグロを獲れるようになりました。その後昭和に入ってマグロと共にカツオなどの他の魚も獲れる船が開発され、現在に至ります。昭和時代は赤道付近までの漁しか不可能でしたが、現在では地球であればどこでも漁が可能な技術を持っています。