マグロを賞味することによって得られる健康効果は数多くありますが、女性に多い鉄欠乏性貧血の改善に役立つ食材の一つとしても知られています。
貧血対策に良い食材といえばレバーと連想する人が少なくありませんが、マグロからもレバーに匹敵するほどの貧血改善効果が得られる部位があります。マグロを切り身にした場合に赤黒く目立つ「血合」という部位です。
時間が経つほどに黒く変色する上、食べ方によっては生臭さが気になることから敬遠されがちの血合肉ですが、それ以外の部位となる普通肉に比べてタンパク質が非常に多いことで知られています。
血合のタンパク質ミオグロビンは酸素を貯える機能を持っており、色素部分を構成している鉄こそが貧血対策の決め手となるヘム鉄です。
貧血改善に良い食材としてマグロも挙げられていますが、ヘム鉄を普通肉の2倍多く含んでいる血合肉を摂ることで、有効性を最も高めることができます。
マグロの血合に含まれるヘム鉄の宝庫ミオグロビンは、運動量が多い尾に近いほど多いとされ、その部位が使われたマグロ料理が貧血対策に最適と言えます。生臭い血合も適切な血抜きなどの下処理によって臭みが気にならなくなり、味付け次第で普通肉を使った料理に引けを取らない絶品の味わいになります。
特にマグロ料理の専門店では、ふだん味わえない魅力的な料理によって血合肉も美味しく賞味することができ、舌鼓を打ちながらの贅沢な貧血対策も可能です。レバーが苦手な人には、理想的な鉄分補給食材と言えます。